日本の代表はやかましい ~『キジ』~

修学旅行から帰ってきまして、早速第三回の絵を描き始めていますが、せっかく描いたのに出発前に投稿できなかったこの鳥を紹介します! 今回紹介するのは、『キジ』です!

キジは、キジ目キジ科キジ属に属する鳥で、漢字で書くと「雉」、英名は「Green Pheasant」、学名は「Phasianus versicolor」です。

日本の国鳥として知られていますね。日本にいるキジは、「コウライキジ」という別種のキジの亜種とされる場合もありますが、ここでは「ニホンキジ」という日本の固有種として紹介します!

日本ではキジは四種の亜種があり、東北を中心に生息する「キタキジ」、本州と四国に分布する「トウカイキジ」、九州地方に生息する「キュウシュウキジ」、それ以外の島などで局地的に生息する「シマキジ」がいます。厳密に見ると若干模様が違ったりしますが、生態はほとんど同じです!

全長はオスが約81cm、メスが約58cmあり、翼開帳(翼を広げた長さ)が77cmもあります。体重はオスが0.8kg~1.1kg、メスが0.6kg~0.9kgあります。鮮やかな色をしているのはオスのみで、体の色は全体的に綺麗な緑色で、顔には赤い肉腫があり、背中や翼に茶褐色の模様があります。メスは全体的に地味な薄い茶色です。
オスが「ケーンケーン」と鳴き、メスは「チョッチョッ」と鳴きます。

それでは生態に移りましょう! キジは浅く地面を堀、そこに枯れ草を敷いて巣を作ります。そこへ、4月から7月にかけて6個から12個ほどの卵を生みます。子育てはメスのみが行いますが、オスの持つ縄張りを自由に出入りするため、乱婚、いわゆる複数の相手と関係を持ってしまいます。

キジの雛は全体的に暗い黄色の体毛をしていて、所々に黒い斑点があります。この頃は大人の持つ鮮やかな色を全く連想させません。

餌は植物の芽や葉っぱが主ですが、昆虫やクモなども食べます。

キジのオスは繁殖期になると肉腫が肥大し、縄張り争いのため気性が激しくなります。大声で鳴きながら翼を広げ、体に打ち付けてブルブルと羽音を立てます。これを「母衣打ち(ほろうち)」と言って、母衣とは昔武士が装備していた長いマントのような布のことで、馬に乗って駆けたときになびく音が、キジの羽音ににていることからこう呼ばれているそうです!

飛べない鳥ではないのですが、とにかく飛ぶのが苦手です。その代わりなのかものすごく走るのが速く、時速32kmも出すそうです。また、人にはわからないぐらいの地震の初期微動を感じることができるとか。


キジは天敵から身を隠す際、草むらに頭を突っ込んで隠れます。おそらく肉腫が一番目立つため、そこを草に隠し、身体の緑色が保護色の役割を果たしているのだと思うのですが、どうみてもバレバレです。この様子が「頭隠して尻隠さず」の由来とされています!

余談ですが、防衛省の情報本部のエンブレムに、地球に乗ったキジが意匠として描かれています。これは桃太郎のお話で、キジが情報収集で大活躍したからと言われています。

また、過去に韓国が日本の国鳥キジを生きたまま裂き殺すという虐殺をしたことで一時騒然となりましたが、日本の国鳥は世界的にも珍しい「食べられる国鳥」で、これは日本の狩猟文化を表していると言われています。実際、北海道や対馬には本来生息しておらず、狩猟目的で放たれて野生化したと言われています。また諸説あるものの、棊子麺の語源として、キジ肉を平打ちの麺の具にして藩主に献上したことからという説もあります。

まあ、つまりです、食べ物はきちんと台所でさばいて食べようねってことですね!