私が『ポケットモンスター ソード・シールド』の新化石ポケモンに納得がいかない理由を考えた話
【2019/11/18 6:00追記】
ここでは氷タイプの化石の元ネタを、『カセキのクビナガ』が使われたポケモンの英語名に共通する「Arcto(アルクト?)」に近い発音になることから、古代のアザラシの仲間である『アクロフォカ』だと仮定して話を進めています。ご了承ください。【同日 7:00追記】
文章の校正を行い、一部の文章に詳しい追記を行いました。
はじめに
3年半ぶりにこのブログに書く記事が、去る2019年11月15日に発売されたポケットモンスターシリーズの最新作、『ソード・シールド』に関する私個人の見解を述べるものになることをまずご了承願いたい。そして、この話題は賛否両論であり、当然肯定意見を持っている人がいることも事実である。その上で私はあくまで否定的な意見を持つ立場として書くのだが、決して肯定派を侮辱する意図は無いこと、肯定派の意見はそれはそれとして受け入れる方針であることも留意頂きたい。
まず、私は20年以上の歴史を持つこのポケットモンスターシリーズのファンであり、かつ化石ポケモンは特に好きなポケモンであることをお伝えしたい。そもそも古代生物が好きで、展覧会があれば足しげく何回も通うし、福井県にある恐竜博物館や長野県野尻湖の近くにあるナウマンゾウ博物館などにも足を運んだことがあるほどの筋金入りだ。もちろん専門家に比べたら私の知識など素人レベルなのは百も承知なのだが、遥か太古の地球で生きていた摩訶不思議な生物に対するロマンは私の知的好奇心をくすぐるのに十分すぎるものなのだ。
そんな古代生物をモチーフとした、いわゆる化石ポケモンと呼ばれるポケモンに私は期待を寄せていた。というのも、第7世代に当たる『サン・ムーン』では久しく化石ポケモンがいなかったからだ。第2世代の『金・銀・クリスタル』を除いてほぼ毎回なんらかのモチーフで登場していた化石ポケモンは、ハワイをモチーフとしたアローラ地方という舞台の影響か登場しなかった。だからこそ、第8世代の新たなポケモンの世界には化石ポケモンはいるのか、いるならそれは何をモチーフにしたポケモンになるのか、発売までワクワクしたいたのだった。ここで、歴代化石ポケモンとそのモチーフ、そしてどの世代で登場したのかを列挙しておく。進化形は基本的に進化前と同モチーフなので、あくまで復元で手に入るポケモンのみを抜粋することをご容赦願いたい。
登場世代 | 名前 | モチーフ |
---|---|---|
第1世代 | オムナイト | アンモナイト |
第1世代 | カブト | カブトガニ |
第1世代 | プテラ | プテラノドン |
第3世代 | リリーラ | ウミユリ |
第3世代 | アノプス | アノマロカリス |
第4世代 | ズガイドス | パキケファロサウルス |
第4世代 | タテトプス | トリケラトプス |
第5世代 | プロトーガ | アーケロン |
第5世代 | アーケン | 始祖鳥 |
第6世代 | チゴラス | ティラノサウルス |
第6世代 | アマルス | アマルガサウルス |
来る新化石ポケモン、しかし......
私の期待にこたえるかのように、どうやら第8世代の『ソード・シールド』にも化石ポケモンがいるらしいことが分かった。実は、なるべくネタバレを回避すべく発売日までリーク情報を遮断していた。私としては『公開前・発売前のネタバレ』はNGなのだが、一度世に出たのであればいずれ分かることなので、その直後に出た情報は結果的にネタバレを含んでいても許容範囲に入る。そして、新たな化石ポケモンの名前とデザインが明かされたのだった。
・パッチラゴン
・パッチルドン
・ウオノラゴン
・ウオチルドン
なんと、二つの化石を合体させて復元させたポケモンだったのだ。そして、その名前と見た目に、私は申し訳ないががっかりしたのだった。安直すぎるのである。
説明する前に、まずこれら4体のポケモンがどういう経緯で手に入るのかを説明しとこうと思う。第8世代の『ソード・シールド』には4つの化石が登場する。『カセキのトリ』『カセキのサカナ』『カセキのリュウ』『カセキのクビナガ』だ。ちなみにモチーフはおそらく『ヴェロキラプトル』『ダンクルオステウス』『ステゴサウルス』『アクロフォカ』だと思う。これら元ネタに関する説明は後述するとして、ここでの私の意見はこの4つがモチーフだという前提で話をしていく。
それぞれトリとサカナが上半身、リュウとクビナガが下半身となっていて、これらを組み合わせることで4体の化石ポケモンへ復元することができる、というのが今回のシステムだ。
トリは電気、サカナは水、リュウはそのままドラゴンで、クビナガは氷という属性区分になっているようで、その通りパッチラゴンは電気とドラゴンの複合タイプ、ウオチルドンは水と氷の複合タイプ・・・・・・となっている。
これらの化石ポケモンは、6番道路にいる『ウッカツ』という研究員に2つの化石を渡し、復元マシーンによって復元されるのだ。この研究員の名前の時点で嫌な予感がするのは否めないが、それは別の話なので化石ポケモンに戻す。
さて、では私がどうして安直がゆえにがっかりしたのか。それは『電気=パチパチ』『ドラゴン=ラゴン』『サカナ=ウオ』『氷=チルド(セ氏0度による冷蔵)』の組み合わせという安直さで古代生物の面影が名前から無い事、そしてデザインが、異なる2体のポケモンを真っ二つに分断し、それをただくっつけただけのデザインだったからだ。
発想とモチーフ自体は嫌いではない
実はこの化石ポケモンに対する発想やモチーフそのものは嫌いではない。むしろ挑戦的でありながら古代生物の骨格標本の再現がいかに難しいかを如実に表していると思う。たとえば、とても有名な恐竜にイグアノドンがある。
イグアノドンは一番最初に発見された恐竜として有名で、特徴的な爪があるのだが、発見当初この爪は角だと考えられていた。そのため最も最初期の頃の復元図は、とてもイグアナに近い見た目に角が一本出ている、東宝の怪獣のような見た目だった。もっと歴史をさかのぼると、そもそもイグアノドンとは『イグアナの歯』という意味で、1822年に初めて発掘された『爪』は巨大な歯の化石として発見された。最初はサイの歯だといわれたが、その後イグアナの歯に似ていることが分かり、これがきっかけで古代には巨大な爬虫類がいたのだと発覚するのである。イグアノドンはその後、東宝怪獣のような角の出た四足歩行の爬虫類姿から、親指の爪が特徴的な二足歩行の姿、そして紆余曲折あって現在ではこの特徴的な爪はそのまま、四足歩行を行っていた恐竜だと考えられている。
こうした、たった1体の恐竜だけで多くの変移があるため、当然『実際は違う恐竜同士の骨格なのに間違って混ざってしまった例』も全くない話ではないのだ。全身の骨格が発掘されない限りはバラバラの骨をパズルの様に組み上げ、足りない部分は想像するか、既に見つかっている別の骨格と似ているだろうと推測する必要がある。顕著なのはアパトサウルスの例かもしれない。アパトサウルスの骨格は発見当初頭骨がなかった。そこで別のカラマサウルスという恐竜の頭骨に似ているだろうという推測の元骨格が組み上げられ、当初はブロントサウルスと呼ばれていた。それが幾年経ち、頭骨の形状が端から間違っていたことが分かり、現在よく知られるアパトサウルスの名前となったのです。
現在ではこの骨格の組み合わせそのものはほとんど間違っていないと言われているそうです。というのも、恐竜という分野を研究する人が増え、発掘も昔より頻繁に行われてかなりの頻度で新たな化石が発掘されているので、再現が正確に行われやすくなったのが理由らしい。
だからこそ、この2019年の時代に、わざわざ『間違った骨格の組み合わせの歴史』をモチーフにした挑戦的な部分はむしろ好きなのだ。だがしかしそれゆえに、そもそも種別が違う骨格を重ねて、こういった生物です、と言い切ってしまったのが許せないのだ。
キメラと考えたとしても酷いもの
発想とモチーフは嫌いではないということを理解してもらえたところで、何故許せないのか、私なりに考えた結果をお話しようと思う。いくつか理由があることが分かったので、まず一つ目の理由を掻こうと思う。簡潔に言ってしまえば、2つの怪獣のソフビ人形を真っ二つに割って、上下を組み替えて『僕の考えた新しい怪獣』見たいにしたのが許せないのだ。
パッチラゴンたちのことを『カセキメラ』と揶揄する人もいるが、私はそもそもキメラですらないと考えている。キメラとは、いわば『タイプ:ヌル』だとか『シルヴァディ』のようなものをいうのであって、新化石ポケモンたちはキメラにすらなりきれてないというのが私の主張だ。
ウルトラマンが好きで当然怪獣も好きなのだが、本来あるべき『キメラ』というのは、ウルトラマンオーブに登場した『ゼッパンドン』や、ウルトラマンジードに登場した『スカルゴモラ』、本質的にはキメラとは若干異なるのだけど、ウルトラマンガイアの映画に登場した『キングオブモンス』なんかが良い例だと思う。異なる怪獣の要素を兼ね備えつつ、一体の怪獣として成り立っているデザインがキメラとして最低限求められるものだと思うのだ。最も素晴らしいキメラ怪獣の例は、ウルトラマンタロウの『タイラント』だろう。あれは非常に出来のいいキメラ怪獣であった。
日本にもキメラのような妖怪がいることを忘れてはならない。鵺は顔は猿、身体は狸、手足は虎で尻尾に蛇が生えている外見だ。鵺のデザインの素晴らしいところは、これら別々の種別の動物が混じっていながら、喧嘩していないところだろう。またギリシア神話に登場するキマイラは頭はライオンで体はヤギ、尻尾は毒蛇という外見だ。ちなみにヤギの頭と突出しているのだが、これもデザインとして喧嘩していない。これはいったいなぜかというと、本来の大きさの時点で異なるものを、大きさをそろえて組み合わせているからなのだ。
例えばこれが、実際の狸の胴体の大きさのまま、実際の大きさの猿の顔をくっつけて、実際の大きさの虎の手足を取り付け、実際の大きさの蛇を尻尾としてくっつけたら、不格好で気持ち悪い生物の出来上がりである。いや、妖怪ならそれはそれでよいのかもしれないが、少なくとも『鵺という生物が仮に本当にいたとしたら』、生理的嫌悪感を覚えるのは想像に難くない。ならばある程度整合性が取れるよう、それぞれの大きさを調整して、合わせるのがデザインとして筋だと思う。
そうして私の意見を踏まえてパッチラゴン達を見ると、特にそのパッチラゴンのデザインが賢著なのだが、上半身はラプトル、下半身はステゴという大きさの違いのまま反映されているのだ。これが生理的嫌悪感を覚える。たとえば、ある程度骨格の組み合わせが間違っていたとして、復元したら整合されたデザインになっていれば問題なかったのだ。だが実際に出てきたのは、先ほども例に挙げた、『真っ二つに切った怪獣の上下をただ入れ替えて、新しい怪獣とした』だけのようなポケモンだ。せっかく挑戦的で斬新なアイデアをもとにしているのに、これではあんまりである。
キメラのポケモン、じんこうポケモンの『タイプ:ヌル』は、哺乳類をベースに、尻尾は魚類の尾びれ、昆虫のような前足、爬虫類のような後ろ足、鶏のような鶏冠があり、枷として取り付けられた重い仮面をつけている。これは『サン・ムーン』における脅威、ウルトラビーストに対抗すべくエーテル財団によって造られたポケモンだ。いったい、何のポケモン同志を組み合わせたものなのかは一切語られていないが、鵺に近しい整合性のとれたデザインで、良くも悪くも男心をくすぐられた。これが、よく見る昆虫と同じ大きさの前足で、よく見るトカゲと同じ大きさの後ろ足で、よく見る魚と同じ大きさの尾びれに・・・・・・という具合だったら、かなり不格好で奇妙奇天烈なデザインで一切受け入れられなかっただろう。それを上手くバランスを取って作られた、よいデザインだと私は思っている。
そんなタイプ:ヌルや、その進化形に当たるシルヴァディという良いデザインをもつキメラの前例があるからこそ、パッチラゴン達はキメラと呼ぶにも相応しくない、本当にあんまりなポケモンに見えてしまうのだ。
そもそもの各モチーフに対して失礼である
とはいえ、実際の古代生物学の骨格組み上げの歴史からしてみれば、間違った組み上げをしてしまった例があることはすでに述べた通りで、何らおかしくないのでは、というのもうなずける意見だ。だがしかし、ならばそれ相応の恐竜をモチーフにすべきだったとも思うのだ。それこそイグアノドンをモチーフにしたり、アパトサウルスモチーフでもよかったと思う。
今回の新化石ポケモンのモチーフは先ほども上げた通り、ヴェロキラプトル、ダンクルオステウス、ステゴサウルス、アクロフォカと推測している。ラプトルとステゴはともかく他二つは初めて聞く人もいるかもしれないので、ざっと説明をしよう。
ヴェロキラプトルは獣脚類に分類される小型恐竜の代表格ともいえる恐竜だ。今からおよそ8300万年前から7000万年前の白亜紀の後期ごろのモンゴルや中国、ロシアの東部に生息していたとみられ、ジュラシックパークでも登場したので知っている人も多いだろう(とはいえあちらはデイノニクスっぽいが)。
ダンクルオステウスは板皮類に分類される巨大な魚の一種だ。古生代デボン紀にあたる約3億8200万年前から3億5800万年前の北アメリカ大陸や北アフリカ大陸に生息していたとみられていて、早くは泳げなかったが発達した顎で獲物をかみ砕くことができたのではと言われている。ちなみに胴体は軟骨のようで朽ちてしまうと考えられており、未だ頭部しか見つかっていない。
ステゴサウルスは言わずと知れた剣竜類の代表格の恐竜だ。今回のポケモンに関しては下半身なので明確にステゴがモチーフと呼ぶにはいささか無理があるかもしれないが、主にジュラ紀から白亜紀の前期の約1億5500万年前から1億5000万年前の北米や中国にいたとされている。アバレンジャーのステゴスライドンや、なんならゴジラの背びれはステゴがモチーフと言われている。ちなみに名前の由来は屋根に覆われたトカゲ。背びれ(スパイクと呼ばれる)が当初は背中を覆ったいたと考えられていたためこの名前になったそうです。
アクロフォカは鰭脚類という哺乳類の一種に分類される大昔のアザラシの仲間だ。中新世後期から鮮新世前期のおよそ500万年前のペルーに生息していたとされている。非常にマイナーな古代生物だが、アザラシの祖先で、化石の保存状態が非常に良い状態で発見され、頭骨が細長いのが特徴だ。
ざっと並べて気付いた方もいると思うのだけど、そもそも棲息してた時代が異なるのだ。いや、モチーフがそうなだけであってポケモンとしては同じ時代を生きたかもしれないだろ、といわれたら何も言い返せないのだが、それならそれで、魚類の頭を爬虫類とくっつける、爬虫類の頭を哺乳類とくっつける、というのはどうなのだとも言いたくなる。ゲーム中では「何故か組み合わせて復元ができる」としているのだが、そもそも一切の骨格が異なる生物同士がなぜか組み合わさったというのは無理がある。
ウオチルドンは魚類の肌を持った頭部に哺乳類の身体をしているのだろうか。流石に肌の質感まではデフォルメされたデザインのゲームでは感じることはできないが、そうなればとんでもない姿の生物を生み出してしまったことになる。少なくとも明らかに骨の大きさが違うと見受けられるラプトル系や魚類の頭骨を、剣竜系や哺乳類の骨と合わせるのは不自然極まりない。
少し余談。『カセキのクビナガ』のモチーフとして今回アクロフォカを挙げているが、クビナガで連想される首長竜の可能性も否定できない。ちなみにこの首長竜、首が長く頭が小さいプレシオサウルス亜目と首が短く頭が大きいプレオサウルス亜目の二種が存在する。この内プレシオサウルスの仲間であるエラスモサウルスは、頭骨を間違えて尻尾につけたまま論文が出されてしまった経緯がある。
さてここで、アーケオラプトルという、2000年に発表され、実際は違う種類同士の生物の骨格を組み合わせた偽物だった事件があったことをお話ししたい。これが偽物だと発覚したのには理由がある。上半身が鳥のような骨格の生物とドロマエオサウルスの一種の尻尾の化石を組み合わせて骨格が作られたアーケオラプトルは、実際はこの尻尾と腰椎をつなぐ骨が存在しなかったことが発覚し、さらに標本には人為的に作られた痕があったことが決め手となりました。一応本物の化石を用いて作られていたためパッと見は新種と思われたものの、骨格をよく観察した結果、偽物だとわかったわけです。
似たような話がミクロラプトルにもある。ミクロラプトルのはじめの標本はアルカエオラプトルとして1999年に発表されたが、実際は異なる二つの化石を合わせた合成だと発覚した。とはいえ一部は本当に新種であったため、それらをまとめてミクロラプトル・ザオイアヌスとした例があるのだ。
もちろん、以前は合成だと思われたが本物だった例もある。1811年にはじめてイクチオサウルスの化石が発見された。見た目で言えばイルカのようなギョリュウの一種だ。だが、この化石が他の化石を組み合わせてできた偽の骨格だと言われた。一般的に爬虫類は椎骨が3本から8本なのだが、発見されたイクチオサウルスの椎骨は35本もあり、さらに頭も小さかったことから、最終的に偽物と断言された。が、その12年後にプレシオサウルスが発見される。しかも、発見したのは以前イクチオサウルスを偽だと指摘した学者だった。首の長い、いわゆるフタバスズキリュウのような見た目の恐竜だ。ちなみに発見は当然プレシオサウルスの方が先で、フタバスズキリュウが新種として認められたのは2006年である。ともかく、椎骨が多い生物が存在したことがプレシオサウルスによって裏付けられ、イクチオサウルスもその骨格が正しかったことが証明されたのである。
もし、先ほどの私の解釈による4つのモチーフではなく、こうした事例をモチーフにしたのなら、正確にはそういった間違った事例をきちんとなぞった復元ポケモンと、正しい復元のポケモンを用意し、それでも両者がきちんとした生き物であるという相応の扱いになる説明や要素を設けるべきだろうと思う。ラプトルなら、二種類のラプトル系ポケモンを用意する、クビナガなら本来尻尾のところに頭が来ている、キリンリキのようなポケモン。もちろんそれらも、復元出来るのがおかしい気がするが、まだ、モチーフとしての説得力は高いはずなのだ。
矛盾に満ちた図鑑の説明
さらに追い打ちをかけるのが図鑑の説明文である。以下は実際のゲーム内の説明文だ。
【パッチラゴン】
[ソード]
古代ではたくましい下半身で無敵だったが餌の植物を食べつくしてしまい絶滅した。
[シールド]
しっぽのたくましい筋肉で発電する。下半身にくらべ上半身が小さすぎる。
【パッチルドン】
[ソード]
氷漬けの上半身が震えると電気が作られる。歩くことが非常に苦手。
[シールド]
古代の海辺で暮らし餌を身体の氷で保存できたが動きが鈍いため絶滅した。
【ウオノラゴン】
[ソード]
ずば抜けた脚力と顎の力で古代では無敵だったが獲物を取り尽し絶滅した。
[シールド]
時速60キロを超える自慢脚力で走れるが水中でしか呼吸できない。
【ウオチルドン】
[ソード]
周囲を凍りつかせて獲物を捕まえるが口が頭の上にあるので食べづらい。
[シールド]
どんな攻撃にも傷つかない面の皮をもつが呼吸が不自由だったために絶滅した。
生物として、せめて生物としてちゃんとして説明をしてくれればよかったのかもしれない。一番ひどいのはシールド版のウオノラゴンの説明だ。走れる、ということは地上での生活を想定している。それが60キロだ。時速60キロの速度というのはライオンのスピードと同じくらいである。大分早いし確かにすごい能力だ。だが『水中でしか呼吸ができない』のだ。
?
もう一度冷静になってお話させてください。ウオノラゴンは、地上を時速60キロで走れるが水中でしか呼吸ができないポケモンだ。
???
パッチルドンは鼻水を垂らしているデザインで、まるでクマシュンみたいである。しかしクマシュンの鼻水は健康のバロメータであることが図鑑の説明で明かされている。粘り気の強い鼻水であるときは健康的で、氷の技の威力も上がるのだが、逆に水っぽくなると体調が悪い時で技の威力も落ちるとされている。一方のパッチルドンは寒くて震えているだけなのだ。寒さに震えることで電気が生まれるが、そもそも歩くことが苦手なので移動が困難であり、氷漬けにして餌を溜められるが永遠に寒さに震える生活を送りながらその移動の遅さで絶滅した。
本当にそんな生物がいたのなら絶滅して当然の生態だが、既に述べた『異なる骨格を並べている』以上、実際には存在しなかったと思われるポケモンを復元したことに間違いはなく、したがってこの説明文も『ウッカツ』による推測のものではないかと考えられるかもしれない。それでも、せめて本当にこういう生物がいた、こういうポケモンが古代にいたとするなら、相応の矛盾しない説明文にしてほしかったのだ。タイトルが剣盾だけに矛盾、なんていうのはそれこそ寒い話なのである。
これまでポケモンが築き上げてきた前提を悪い意味で覆した
この4体のポケモンを語るうえでSNS上でたびたび取り上げられるのが、ミュウツーやゲノセクト、人工的に作られたポリゴンやゴビット、マギアナやタイプ:ヌルだ。だが私はこれらは同じ人為的に作られたポケモンであったとしても、全く異なる性質と立場であると考える。
ポリゴンやゴビット、マギアナいった0から創り出された全くの新種であるタイプ(人造タイプ)
ミュウツーやゲノセクトといった元となる生物に手を加えたタイプ(改造タイプ)
タイプ:ヌルのように複数の生物要素を組み合わせて新たに作り出したタイプ(合成タイプ)
生命に対する冒涜だとか、倫理観がないという話を持ち出すなら、初代のポリゴンやミュウツーの段階でそれは既にないのだが、新化石ポケモンは少なくともそれぞれ基になった生物がいたので、これはミュウツーのような改造、あるいはタイプ:ヌルのような合成タイプに近いだろう。一から新たに生み出したわけではないしあくまでの化石の復元という体裁があるので、ポリゴンなどと同じタイプではないといえるのではないだろうか。
ではそんなミュウツーたちと新化石ポケモンの根本的な違いは何だろうか。それは、こうした声明への冒涜や倫理観に対するバックボーンの有無だろう。
ミュウツーは、カントー地方のグレンタウンにある廃墟『ポケモン屋敷』内部にある日記で琴の顛末を知ることができる。ミュウに出会った一人の科学者が、その特異な遺伝子に魅入られ、遺伝子操作の末ミュウツーが誕生、凶暴な性格となったミュウツーが手に負えなくなってしまったのだった。そうして科学者もミュウツーも屋敷から姿を消してしまった。科学者・・・・・・フジ老人は極めて生命に対する冒涜的な行為を及んだことが言及され、それに対する苦悩も語られている。
ゲノセクトは最強のポケモンを生み出すべく、古代の虫のポケモンを復元し、そこへ砲台を改造してつけるというこれもまた冒涜的な行為に及んだ。だが、Nという青年によってこの行為を非難され、研究は中止になってしまったことがP2ラボにいるプラズマ団の科学者から聞くことができる。そして、暴挙に出たプラズマ団との戦闘に勝利すると、ゲノセクトから手を引くと言い、ゲノセクトを見放してしまうのだ。プラズマ団の科学者の欲の為に創り出され、その親に捨てられるという過酷な描写が描かれ、プレイヤーに対してもこのゲノセクトの処遇について考えさせられるものとなっている。
タイプ:ヌルは先ほども述べたのだが、アローラ地方に対する脅威の一つであるウルトラビーストに対抗すべく、エーテル財団が複数の要素を合成させ、どのような状況でも耐えることができるポケモンとして生み出されたことが、エーテル財団のボスであるルザミーネの息子にして、タイプ:ヌルのトレーナー、グルジオから聞くことができる。ミュウツーの様に暴走する恐れがあるため枷をつけられ、封印されていたのだが、その後トレーナーとの信頼関係を結ぶことによってシルヴァディに進化することになり、その名前も最初に進化させたトレーナーが名付けたという、ある意味初めて、人工的に生み出されたポケモンとトレーナーの絆が描かれたポケモンだ。
このように3体のポケモンにはそれぞれ出自や処遇に関するバックボーンが用意されていた。もちろんそれはきっと、このポケモンたちが伝説のポケモンあるいは幻のポケモンだからかもしれない。だが、生命に対する冒涜と生命に対する倫理観を語るうえでは、せめてそういう扱いができる存在にするのが望ましいともいえる。
また、たとえ後付けであったとしても、ポリゴンには宇宙開発の為に作られたという説明があったり、ゴビットは古代文明の科学によって造られたという説明、マギアナには500年前の科学者によって造られ、人のお世話をする事が出来る能力があるとの説明がされている。ポリゴン、ゴビット、マギアナは、純粋な生物というには無理があるかもしれない。しかし、コイルやヤジロンのような、まるで器物のようだが生物であるポケモンもいるし、アンノーンのような存在意義が未だ謎のポケモンもいるなか、明らかに人の手によって造られたという説明がきちんとされているポリゴンたちにも、ある程度のバックボーンは用意されているといえる。
それらを踏まえたうえでの新化石ポケモンは、当然ながら、言い方は悪いのだが普通のポケモンなのだ。説明や出自もひどいものだった。これらをバックボーンと呼ぶにはお粗末すぎるのである。
また、そうしたバックボーンは歴代化石ポケモンにも存在する。たとえば『タテトプス』はウルトラムーンでの説明で「顔の部部以外が発見されたことがない」という説明がされている。さらにプテラは「こはくに残された恐竜の遺伝子から復活させた」という記述がある。ということは、歴代化石ポケモンは化石の一部から完全復元されているといえるのだ。プテラに至っては化石どころかミュウツーのように遺伝子から復元しているのである。
他にもウルトラサンでの説明ではチゴラスは「復元させても当時と同じ姿ではないという説」ガチゴラスは「完全な復元は不可能」とし、アーケオスは「熟練の職人でなければ復元に失敗する」、トリデプスは「顔の骨がでかくて硬いので復元が成功するまで背骨だと勘違いされていた」という記載がある。間違っている可能性がまだあること、以前は間違った解釈があったこと、そして間違った解釈が復元したことによって覆されたことが語られているのだ。
もしかしたら、かつて背骨だと思われていた解釈のトリデプスの図があって、実際にその通りに組み上げ、復元されていたのかもしれない。でもそういうのは『失敗』という形で表されたか、復元した結果きちんと頭部に移動してもとの状態になったのかもしれない。
ともすれば、新化石ポケモンたちは、ウッカツの手によって間違っている解釈を、無理矢理正しいものとされて、不完全な復元をされたポケモン、という言い方になってしまうのではないか。これまで築き上げてきた人工ポケモンや化石ポケモンが生物として存在するための要素を、本当に悪い意味で覆してしまったのではないだろうか。
実際に復元に成功したところ想像していた図と異なっていた、というのがこれまでの化石ポケモンだった。そういう前例がきちんと確立されてきた上で、間違った想像図のまま復元したら成功したのでこういう生き物でした、と言われるのは靄が晴れないのである。
JUNE BORN GIRLS.
【MMD】「JUNE BORN GIRLS.」イラスト/スパロウ [pixiv]
実はMMDに手を染めていました。半月ほど紙芝居動画を出してたりしてます!
一つの習慣に、週間ワード
これからね、ミックミクしてってやんよ
今から20日ほど前。そうそれは3月9日のことだ。Twitterを見ていた私は、トレンドである文字を見てしまった。
『ミクの日』
3と9のごろ合わせでミクの日など、すっかり忘れていた。最近絵を上手に書きたいと思っていた私は、つい出来心で、初音ミクを生まれて初めて描いたのだった!
絶対大学卒業までに、もっとかわいく描いてやるんだからな! 絵の専門学校とかじゃないけど!
【初音ミク】「これからミックミクしてってやんよ」イラスト/スパロウ [pixiv]
大事なお知らせと報告
皆様、ブログではおよそ4か月ぶりです。今回は大事なお知らせと報告をしたいと思っております。
さて、ここ数か月、時々開くとき以外はとくにインターネットを使用しておりませんでしたこと、申し訳なく思っております。これには理由があったのですが、それを言わずに自粛していたため、中には忘れてしまっていた方もいるのではと思っております。
この数か月、私は大学進学のために勉強をしておりました。どの大学のどの学部か、それについては伏せさせていただきますが、少なくとも、いま通っている学校から行くとすると、割とレベルの高い大学を選んでおりました。面接練習、勉強、作文……。様々な課題をこなすために、自然と自粛せざるを得ませんでした。
正確には、たまに顔を出す程度のことはしていましたが、それ以上のことは行っておりません。しいて行っていたとしても、学校内で行う行事のための動画や画像を作成するためにパソコンを持ち出す程度で、私用でネットサーフィンというのは1週間に1度、あるかないかでした。Twitterを含む各SNS上でも、自分自身が進学すること、その期日がいつなのかなどについては明言しておりませんでしたので、ご心配をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。
先にお知らせをいたします。動画投稿サイト、ニコニコ動画にて動画投稿を始めました。興味があったら見ていただけると幸いです。また、停滞していた鳥図鑑、始まってすらいなかった植物図鑑を本日付で再開・開始しようと考えております。絵に関してはまだ時間がかかりますが、写真により植物図鑑は始められそうです。
また、もう一つお知らせとして、ゲーム制作を始めました。自分の趣味の範囲から脚本を練り、作成していきたいと思うようになり、始めた次第です。現在2本のゲーム制作を計画しておりますが、何分一人で脚本を練ることの大変さ、設定やキャラクターデザインなど、現在スタッフが自分自身を含めても3人しかいない状況でございます。もし、何か手伝えることがあればぜひ、と思っている方がいらっしゃればコメントしていただけると助かります。
そして、大事な報告をいたします。わたくしスパロウ、自分自身分かっていた上程で、少しレベルの高い大学を選び、受験いたしました…………。
やはり、現実というのはそう甘くないものです。第一次審査で数人落とされ、第二次審査では半分蹴落とされるのです。持てる力をもって臨んだつもりでした……。